今まで持っていなかった武器が一つ増えた
組合立諏訪中央病院 経営戦略室 副室長
杉田 勇 様
今回お話をうかがったのは、組合立諏訪中央病院の杉田様(経営戦略室副室長)です。
普段、「EVE」や「Medical Code」を使いこなしていらっしゃる杉田様の目線で、「MDV Act」メインストーリー機能(以下、MS)のポイントを挙げていただきました。(以下、杉田様談)
まず見た目のインパクト 「収入」が目に飛び込んでくる!
こういった経営分析ツールの最終目的というのは、「収益を上げる」ということです。MSを開くと、一番初めに「収入」が目に飛び込んでくる、というのは新鮮だな!と感じました。
高度急性期・急性期「以外」の分析ができる ― 病床機能単位での収益を明確に見える化したツール
今まで、病棟や病床機能単位で収益を明確に「見える化」して分析できるものはあまりなかったですね。MSだと、高度急性期・急性期だけではなく、色々な病床機能で見ることができます。実際に、地域包括ケア病棟等を見ていますが、MSの急性期以外の病棟データが新たな気づきとなっています。そしてそれを基に院内展開できるのが、とてもありがたいと個人的に思っています。自分が今まで持っていなかった武器が一つ増えたような感覚でいます。
現場の動きと収益の動きが連動して見られるツール
収益から何かをする、いわゆる改善行動を起こすというのは難しいとは思いますが、少なくとも患者数や手術件数は実績のあった月(発生ベース)ごとでその変動を見ていきたいです。
ツールで見られるデータというと、「EVE」のデータは退院患者ベースですね。そのため、入院中患者を含めた発生ベースの数字と比べた時にズレが出てきます。単月で見るとズレは明らかで、「手術件数が多いのに、なぜ診療単価が低いのか?」というような見え方になり、疑問が生じるようになります。
その点、MSは発生ベースで見られるようになっていて、概ね現場の動きと収益の動きが連動するようになっています。今までこうしたツールがなかったので、この点は本当にありがたいですね。手術や処置の件数などは、収益に直結する部分なので、これがほぼリアルタイムで見られるのが良いと思います。
5年間*のデータで見ることができる強み ― コロナ禍以前のデータの必要性
MSの強みとして、あともう一つ、5年間のデータで分析ができるという点が挙げられますね。意外と、5年で比較して見られるというツールがないです。
2020年度のデータというのは、収益的にも制度的にも新型コロナの影響を強く受けています。分析するにあたっては、やはりコロナ禍以前のデータと比較しなくてはいけません。20年度だけでなく、19年度以前の両方と比較できなければ意味がない。22年度になると、3年程度のスパンでは19年度以前が消えてしまいますよね。コロナ禍以前のデータが出せなくなるのは相当な痛手です。そういう意味でも、MSが5年間のデータで分析できるのは、今は本当にありがたいです。
*「MDV Act」は18年度以降のデータの取込が可能です。
今後の利用イメージ
今後、院内の経営企画会議資料や診療部長への実績フィードバックに使っていこうかなという構想を色々と考えていますよ。「MDV Act」の今後の機能拡充にも期待しています。